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相続した土地の名義変更は必要?今後の法改正や費用を解説
記事監修者
L&P司法書士法人
司法書士 山本耕司
【保有資格】司法書士、行政書士(未登録)
宅地建物取引士(未登録)
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
【専門分野】不動産登記、相続関係手続
L&P司法書士法人 東京事務所副所長。
平成19年司法書士試験合格を経て、平成20年より司法書士登録。
主に不動産登記を専門としており、年間100件以上の不動産決済の立会を行うとともに、建物新築に関わる登記手続きも担当している。
また、任意後見契約支援、遺言作成支援や家族信託の組成など生前対策のコンサルティングから相続発生後の相続登記、遺産整理業務や遺言執行業務にも力を入れている。
URL https://lp-s.jp/
相続した土地の上に家を建てることを考えているけど、面倒な「相続手続き」故にまだ名義変更が済んでいない・・・と思わずため息をつかれる方も多いでしょう。
実は、2022年時点では相続した土地の名義変更に期限はありません。 しかし、名義変更せずに放置するとトラブルに発展する可能性があるため、すぐに手続きすることが大切です。
本記事では、相続した土地の名義変更について、放置することで生じるトラブルや具体的な費用・必要書類についてなど解説していきます。
2024年4月に相続登記が義務化される
親族の方が亡くなるなどして、土地を相続した場合、自動的に名義変更されるわけではありません。法務局に行って自分で手続きするか、司法書士に依頼するかなどしなければなりません。
とはいえ、実は2022年時点では相続した土地の名義変更は期限がなく、また義務もありません。 ただし、義務がないことを理由に登記されない土地が多く、放置されてしまうといった問題があることから、2024年4月には法改正されて、相続登記が義務化されることになっています。
また、そうでなくとも、土地の名義変更をしないで放置しておくとさまざまなトラブルに発展してしまうことに注意が必要です。
名義変更せずに放置すると発生する3つのトラブル
2022年時点では相続時の土地の名義変更は義務ではありませんが、放置しておくとさまざまなトラブルに発展してしまう可能性があります。具体的には以下のようなものです。
- 1. 2024年4月に相続登記が義務化される
- 2. 土地を売却したりローンを組んだりできない
- 3. 長期間放置するといざというときに手続きできない
1. 2024年4月に相続登記が義務化される
まず、先述の通り相続時の土地の名義変更は2024年4月に法改正され義務化されることとなっています。義務化されると、すぐに違法状態になるわけではありませんが、法改正から3年以内に手続きしないと10万円以下の過料が課されます。
2. 土地を売却したりローンを組んで家を建てられない
土地の名義変更が済んでいないと、土地を売却したり、ローンを組んだりすることができません。土地を売却したり、ローンを組む際には、登記名義人本人が契約(売却の場合は売買契約、ローンを組む場合は抵当権設定契約)を行う必要があり、亡くなった方の登記名義のままだと契約ができないからです。
3. 長期間放置するといざというときに手続きできない
上記通り、土地の名義変更をせずに放置しておくと、将来的に過料を支払う必要があったり、土地の売却やローンを組むことができなくなります。とはいえ、それなら必要になったタイミングで名義変更すればよい…と考える方もいるでしょう。
しかし、長期間土地の名義変更をせずに放置してしまうと、別の問題が起こってしまいます。 土地の名義変更をするには、相続人となった人全員の書類が必要になります。 相続が発生したタイミングであれば、相続人達の書類を集めるのは簡単でしょう。
一方、長期間放置して、相続人のうちの誰かが遠くに引っ越してしまったようなケースだと、書類を集めるのが大変になってしまいます。 さらに、相続人のうちの誰かが亡くなってしまったケースでは、さらにその相続人全員の書類が必要になってしまうなど、書類を集める難易度が大きく上がってしまいます。
こうしたことにならないよう、相続時点でしっかり手続きをしておくことが大切です。
相続した土地の名義変更にかかる費用や必要書類
ここでは、相続した土地の名義変更にかかる費用や必要書類をご紹介します。費用
相続した土地の名義変更は、自分で手続きすることも可能で、この場合の費用は登録免許税等の実費のみで済ませることが可能です。相続時の土地の名義変更にかかる登録免許税は固定資産税評価額の0.4%。
例えば、固定資産税評価額が1,000万円の土地であれば4万円必要という計算です。
*一定の条件を満たした場合、2025年3月31日までに登記申請をおこなうことで登録免許税の免税措置を受けることもできます。
参照:法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」
一方、手続きを司法書士に依頼することも可能で、この場合、登録免許税に加えて司法書士に支払う報酬が必要になります。 司法書士報酬は、依頼する司法書士や物件の状況によって変わり、10万円程度で済むこともあれば、測量が必要なケースでは数十万円必要になるケースもあります。
必要書類
相続登記で必要な書類としては、一般的には以下のようなものが挙げられます。- 1. 登記事項証明書
- 2. 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
- 3. 被相続人の住民票の除票
- 4. 法定相続人全員の戸籍謄本
- 5. 新たに登記名義人となる相続人の住民票
- 6. 遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書
- 7. 相続関係説明図
- 8. 最新年度の固定資産評価証明書
- 9. 相続登記申請書
登記事項証明書は法務局で取得できる他、戸籍謄本や住民票の除票、印鑑証明書、固定資産評価証明書などは市区町村役場で取得する必要があります。
なお、印鑑証明書については相続人全員のものが必要になるため、早い段階でその旨を伝えておくことが大切です。
司法書士に依頼する場合は、司法書士から必要書類について聞くことができます。 必要書類を提出すれば、すぐに手続きすることができるため、手間も時間もかかりません。
相続した土地に家を建てる・活用するなら、ハウスメーカーへの相談がおすすめ
相続した土地は人それぞれの活用方法があります。- 相続した土地に家を建てる
- 相続した土地を売却して、新たに好きな立地に土地を購入する
例えば、大きな土地を相続したようなケースでは、敷地の一角に家を建てるために、分筆もしくは敷地分割することも検討できるでしょう。
そのようなケースでも、あらかじめハウスメーカーに相談しておけば、家を建てることを前提に計画を進めることが可能です。
また、ハウスメーカーに相談した場合、司法書士や税理士などを紹介してもらうこともできます。 相続した土地の名義変更や相続税の納税など、分からないことをまとめて相談することもできるので、家づくりを考えているのであればまずは話を聞いてみましょう。
もし、相続した土地の上に家を建てることを検討しているのであれば、自分に合った家づくりをワンストップで土地探しから相談できる ランディPRO加盟店へ来場して、 家づくりの相談をするだけでなく、司法書士や税理士を紹介してもらうなど、相続した土地について専門家に相談することがおすすめです。
【まとめ】2024年相続登記が義務化!早めに手続きしましょう
相続した土地の名義変更は2022年現在では義務も期限もありませんが、今後法改正があり、義務と期限が設けられます。 そうでなくとも、そもそも相続登記を放置することによるデメリットは大きく、また家を建てるのであれば相続登記しておく必要があるため、早めに手続きしましょう。この記事を読んだ人は、こちらの記事も参考にしています。
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