目次
はじめに|なぜ「外国人移住」なのか
日本の人口減少は、年々加速しているのを皆さんご存じでしょうか。
その中でも、総務省国勢調査※1によると、地方の人口はこの10年間で縮小が顕著です。
一方で地方により目を向けると、在留外国人の存在感は拡大しています。
出入国在留管理庁の統計※2では、全国の在留外国人数が2024年末に3,768,977人と過去最多を記録し、その居住が都市部から地方へと広がりを見せています。
こうした流れの延長として、最近では「観光や就労から定住へ」という形で、外国人が地方へ腰を据えて暮らす動きがより鮮明になってきました。
確かに日本人の地方移住も進んでいますが、外国人には特有の動機があり、それが新しい住宅需要の創出につながります。
本稿では、外国人移住の背景と市場拡大の可能性を踏まえ、戦略的示唆を整理します。
1.外国人が地方を選ぶ理由と住宅需要
外国人が地方を選ぶのには前述のとおり外国人ならではの要因があり、それが市場の広がりを今後支えていくと考えられます。
それらについて詳しく解説します。
まず“住宅コスト”です。
東京都心では20万円を超える家賃水準が一般的ですが、地方では同等の価格で一軒家を借りられる事例が多くあります。これは「広さ」と「文化的価値」を重視する外国人に強く響きます。
さらに、“自治体の支援”もこの動きを後押ししています。
前橋市には「空き家バンク制度」があり、移住定住を促す仕組みを提供しています※3。
また同市は生活ガイドを英語・中国語・ポルトガル語など多言語で整備し、外国人の地域定着を支援しています※4。
北九州市でも「外国人総合相談窓口」を設け、住まい探しや生活基盤の安定を後押ししています。
こうした要素により、外国人は「観光客」から「住民」へと転じ、一過性ではない持続的な住宅需要の起点として形成されています。
2.地方の住宅が“地域価値を伝達する装置”になる時代
こうして外国人が地方に根を下ろすための環境が整ってきている中で、次に問われるのは「住宅の役割」です。
外国人は、日本の伝統的な建築様式(梁や土間、縁側など)に魅力を感じていると広く言われています。
つまり外国人にとって日本の住宅は単なる居住空間ではなく、“地域価値を伝達する装置”としても機能しているのです。
総務省の住宅・土地統計調査※5では、全国の空き家数は820万戸を超えています。
放置されれば地域の負債になるだけですが、外国人が求める文化的価値を活かして再生すれば「差別化された商品」として市場に提供できます。
さらに、そうした住宅供給は単発的な契約価値にとどまらず、周辺の商業や観光、雇用の創出へと波及し、町全体の循環を生み出す起点となります。
事業者にとって必要なのは、文化資源を「商品価値」として提示し、価格競争から脱却した契約獲得につなげる戦略です。
3.多文化・多世帯対応の設計は“売上機会”を広げる
住宅が文化を伝達する装置となる一方で、実際の暮らしを想定すると、日本的な住宅をそのまま提供するだけではなく、「生活習慣の違い」への対応が必要不可欠です。
祈祷スペース、キッチン仕様、靴の脱ぎ履き文化、複数世帯同居を想定した間取りなど、日本人住宅とは異なる条件が必要です。
そしてこれらは満足度を左右するだけでなく、口コミや紹介による新規契約を生み出します。
また、シェア居住を想定した住宅では、共有スペースの改修やリフォームなど継続的な案件が発生し、単発契約を長期収益へ変換することが可能です。
すなわち「文化に考慮した住宅を作れる会社」は、市場で“差別化”と“売上拡大”を同時に実現できます。
4.住宅が変われば、“人口増=売上増”の市場構造が生まれる
そして移住者が増え、人口が拡大すれば、教育・医療・交通など周辺サービスも拡張し、その中心にある住宅市場の拡大は必然です。
事実、前述のとおり在留外国人は最新の統計で過去最多を更新しており、地方における住宅供給は“新しい人口”を受け止めるインフラ = 売上拡大の起点になっています。
事業者にとって、外国人移住は単なる文化現象ではなく、「売上拡大の方程式」です。
人口増が住宅需要の増加に直結し、契約件数の積み上げへと変換される。
この因果関係をどう戦略に組み込むかが、市場での生き残りを左右するのです。
まとめ|外国人移住は住宅事業者にとっての“売上拡大戦略”
人口減少で縮小する住宅市場において、日本人需要だけでは成長は望めません。
そこで重要になるのが、外国人移住によって生まれる新しい住宅需要です。
さらに、文化的価値を活かした住宅再生は、単なる契約の獲得にとどまらず、地域の雰囲気や魅力を高め、街そのものを盛り上げる循環を生み出します。
外部環境をつくり、地域価値を押し上げる主体は、ほかならぬ住宅事業者自身ともいえるのです。
人口減少時代においては、住宅供給そのものが地域戦略となり、地域社会の持続性と企業収益を同時に高める道筋となります。
だからこそ、見方を変え、住宅を単なる商品ではなく“地域資源”として捉えることが必要です。
マクロで言えば、市場や外部環境の変化によって得られる新たな気付きをもとに、解決策を考えるのも重要ではないでしょうか。
<出典元>
- ※1:総務省統計局(2020)『国勢調査 2020』
- ※2:出入国在留管理庁(2025)『令和6年末現在における在留外国人数について』
- ※3:前橋市『空き家バンク制度』
- ※4:前橋市『前橋市リビングガイド(多言語版)』
- ※5:総務省統計局(2018)『住宅・土地統計調査 2018』
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