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“中古を育てる時代”がやってきた| 設計事務所発ビルダー経営層が描く“リノベ市場”への拡張戦略

コラム

【FREEDOM X株式会社について】

私たちFREEDOM X株式会社は、「教育よりも早く、採用より確実に。知的生産性に、革命を。」 を経営理念に掲げ、建築・不動産領域の知的生産性向上に挑んでいます。

優秀な人材の育成がどの企業にとっても大きな課題である一方、その育成には不確実性や時間、コストがかかるのが現状です。
私たちはこの課題意識から、テクノロジーの力で人材の能力を底上げできないかと考え、住宅業界に特化したSaaSツールを開発・提供しています。
経験の浅い方でも無駄なく最短で成果を出せる未来を創造し、貴社が顧客の課題と向き合う時間を生み出し、コンサルティングの質を高めていくことを支援します。
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はじめに|「中古購入・空き家再生の相談が増えている」という現実

日本の住宅市場では新築中心の整理が長く続いてきましたが、住宅全体を見ると既存住宅の存在感が大きくなっています。

国勢調査に基づく調査では、2023年時点で全国の空き家数が約9,000,000戸に達し、住宅全体の13.8%を占めています※1。

こうした住宅ストックの状況は、新築中心では扱いきれない案件が増える背景になっています。


このような状況下で、設計事務所発ビルダーの現場でも、中古住宅や空き家の再生についての相談が増えています。

こうした再生案件は条件が一つとして同じではなく、設計力や施工力の使いどころが新築とは異なる性質を持っています。

本稿では、再生住宅を扱うことの可能性と、経営の拡張につなげる視点を整理します。

1.住宅着工数の動向と既存住宅の位置づけ

住宅市場全体を見るうえで、新設住宅の着工数が減少傾向にあることは重要です。

国土交通省が公表した統計によると、2025年度上期(4~9月)の新設住宅着工戸数は前年同期比で17.4%減少し、約34万戸にとどまりました※2。

こうした減少は、住宅市場の縮小と、新築中心の事業構造が再考されるきっかけになります。


一方で空き家の数自体は増加しています。

2018年と比較しても9,000,000戸近くに達しているという状況は、住宅市場全体の供給構造が変わりつつあることを示しています※1。

新築着工数の減少と既存住宅の増加は、住宅市場の質的変化を示す指標として捉えられます。

2.設計事務所発ビルダーが直面する“新築依存の限界”

新築主導の事業構造は、仕様や工程がある程度定まっていることを前提としています。

設計・施工・引き渡しまでの流れが標準化され、役割分担が明確です。

しかし既存住宅の再生案件は、建物ごとに条件が異なります。


例えば、築年数やこれまでの改修履歴、材料の劣化状況、敷地条件や補助金の適用可否といった要素が案件ごとに異なります。

このような条件のバラツキが、新築中心の事業構造では困難を生む要因です。


統計的に見ても、新築着工が減少する局面では、企業が既存住宅市場へ関心を寄せる必然性が高まります。

市場としての供給条件が変化している以上、事業構造の見直しが必要です※2。

3.“設計・施工一体型”の再生事業への適合性

既存住宅の再生では、現況の建物状態を把握し、どこまで手を入れるかを判断する工程が重要です。

設計と施工を分けて扱う体制では、調査結果の解釈や修正のすり合わせが増え、効率が落ちます。


設計事務所発ビルダーは、調査段階から施工まで一貫して扱う体制が整っていることが多く、この点が再生案件において優位になります。

現況を踏まえて設計を組み立て、そのまま施工に反映できるため、条件が揃わない案件でも一貫した流れで進めやすくなります。


日本国内ではこうした再生・リノベーションニーズが増加傾向にあります。

既存住宅や空き家の活用は、単なる工事ではなく、建物の再評価と市場価値の再設定につながっています※1。

4.“育てる住宅”を軸にした経営変革

再生案件は一度の工事で完結しないケースが多く、継続的な関わりが発生します。

住み始めてからの調整や将来の改修ニーズへの対応は、再生を扱える体制であることが基本です。

また、既存住宅の活用は地域の住宅ストックを循環させる役割を果たします。


設計事務所発ビルダーは、こうした関係の組み立てを事業モデルとして扱いやすいポジションにあります。

単発工事ではなく、住まい全体の状態を継続して扱うことで、顧客と長い関係を築くことが可能になります。


また、リセール市場の拡大傾向も確認されています。

専門調査によれば、リフォーム済みの既存住宅の流通件数は増加しており、これは中古住宅の取り扱いが活発化していることを示しています※3。

こうした市場環境は、再生住宅の扱い方を事業化する素地になります。

5.他の住宅業界タイプに見る“再生戦略の展開”

プレハブ系や規格住宅を主軸にする事業者は、工業化・規格化を再生事業にも応用し、条件の揃った物件を扱う方向性を模索しています。

これに対して、設計事務所発ビルダーは案件ごとの個別性を読み取りながら対応する点に特徴があります。


一例として、全国的に増加している空き家の存在は市場の供給条件に影響を与えています。

先ほどから述べている通り、空き家数は年々増加の一途をたどり、その割合も高水準にあります※1。

条件が揃わない市場ほど、再生対応力への要求が高まります。


このような背景のもと、他業態と設計・施工一体型のアプローチを比較すると、関与する局面や役割が異なるものの、再生市場に対応するプレイヤーが増えていることが読み取れます。

6.設計事務所発ビルダーにおける“再生型経営”モデル

再生市場では、単なる工事受注ではなく、住宅そのものの継続的な維持・管理まで含めた関わりが求められます。

設計事務所発ビルダーは既存住宅の性質を扱う体制が比較的整っているため、再生案件を入口に関係を深めやすい側面があります。


地域の住宅ストックを循環させるという観点も、再生型経営の一部です。

空き家の増加という市場条件が続く中で、循環を促す役割を担うことで事業価値を高める可能性があるのです。


まとめ|“中古を育てる”という選択肢を、どう事業に組み込むか

本稿では、新築中心の事業構造では拾いきれなくなっている住宅市場の現実を整理し、設計事務所発ビルダーにとって再生・リノベーション領域がどのような位置づけになりつつあるのかを見てきました。

空き家や既存住宅の増加により、「つくる」だけでなく「どう使い続けるか」「どう循環させるか」が、事業として無視できないテーマになっています。


一方で、住宅事業の収益構造を冷静に見ると、新築はリノベーションや再生に比べて、利益を確保しやすい事業形態であることも事実です。

大手・中堅ハウスメーカーの決算分析では、新築住宅事業は原価や工程が標準化されており、営業利益率が安定している企業が多く見られます※4。

業界調査でも、新築住宅の平均的な利益水準は、リノベーション・再生案件と比べて約1.3倍になるケースが多いと整理されています※5。


つまり、このコラムで整理してきた再生領域の拡張は、「新築をやめる」ことを意味しているわけではありません。

新築市場が縮小する中でも、新築の受注や利益を維持・拡大している企業が存在するのは、事実です。


差が生まれているのは商品力ではなく、案件の入口で条件をどこまで整理できているかという構造にあります。

土地条件の把握や建築可否の早期整理、見込み客の取りこぼしを減らす仕組みを持っているかどうかが、新築事業の数字に直結しています。

弊社が提供している土地検索ツール「ランディ」は、そうした条件整理を仕組みとして支える手段の一つとして導入されており、実際に新築の数値改善につなげている企業も少なくありません。


再生やリノベーションは、新築の代替ではなく、新築中心の事業構造では拾いきれない需要を補完する選択肢として整理できます。

再生だけにするのは“消極的選択”になります。

“中古を育てる”という視点は、新築事業を含めた住宅事業全体をどう組み直すかを考えるための、経営上の選択肢として捉えるべき段階に来ています。

キャラ




<出典元>

※1:総務省(2023)「住宅・土地統計調査」

※2:国土交通省統計(2025)「新設住宅着工戸数(2025年度上期)」

(※2025年度上期の着工数減少については住宅業界関連報道を参照)

※3:矢野経済研究所(2025)「既存住宅流通・リフォーム市場動向」

※推計データ利用(市場データとして実在情報ベース)

※4:住宅産業新聞(2024–2025)「主要ハウスメーカー決算分析」

※5:リフォーム産業新聞(2024)「新築住宅とリノベーション事業の収益構造比較」




 

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