【FREEDOM X株式会社について】
私たちFREEDOM X株式会社は、「教育よりも早く、採用より確実に。知的生産性に、革命を。」 を経営理念に掲げ、建築・不動産領域の知的生産性向上に挑んでいます。
優秀な人材の育成がどの企業にとっても大きな課題である一方、その育成には不確実性や時間、コストがかかるのが現状です。
私たちはこの課題意識から、テクノロジーの力で人材の能力を底上げできないかと考え、住宅業界に特化したSaaSツールを開発・提供しています。
経験の浅い方でも無駄なく最短で成果を出せる未来を創造し、貴社が顧客の課題と向き合う時間を生み出し、コンサルティングの質を高めていくことを支援します。
目次
はじめに|“定着の方法”とは、結局なんなのか
前回のコラムでは、若手社員が早期に辞めていく背景には、経営者世代と若手社員の間に「ギャップ」があること、そしてそのギャップはどちらかが正しい・間違っているという話ではなく、それぞれが歩んできた時代の違いから生まれているものだとお伝えしました。
▼前回のコラムをまだお読みでない方は、こちらから先にご覧ください。
若手社員が定着しない本当の理由|― 経営者と若手の間にある“ギャップ” ―ここで多くの経営者の方が疑問に思うのは、「時代の違いなのは分かったが、では何をどう変えればいいのか」という点ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、このギャップは経営者個人の意識や努力ではなく、組織としての「やり方」を見直すことで埋めることができます。
今回は、定着率を高める方法を、考え方と取り組みの両面からご紹介します。
1.「人」を変えるな、「渡し方」を変えよ
具体策に入る前に、まず押さえておきたい前提があります。
変えるべき対象は、「人」ではなく「仕事の渡し方」である、という点です。
経営者世代の感覚を若手社員に押し付けることも、若手社員に合わせて経営者世代の価値観を変えることも、現実的ではありません。
変えられるのは、業務をどう任せるか・どう教えるか・どう確認するかという「渡し方」の部分です。
そして渡し方を整えるうえで核になるのが、「経験や勘」を「誰でも使える形」に置き換えるという発想です。
経営者世代がこれまで成果を出してきた背景には、長年の経験で培われた判断基準があります。
それ自体は組織の財産ですが、本人の頭の中にとどまっている限り、若手社員には伝わりません。
文書や手順として文字に起こして外に取り出し、誰でも参照できる状態にすることが、定着の土台になります。
2.定着する会社が、やっている二つのこと
定着率の高い会社では、業界を問わず、大きく分けて二つの取り組みが進められています。
一つは、「教え方」の見える化です。
具体的には、入社初期に任せる業務の範囲、本人が判断してよい範囲、上司の確認が必要な場面、困ったときの相談先――こうした情報をまとめ、入社時に渡している会社が多く見られます。
新人にとっては行動の地図となり、教える側にとっても任せ方や教える順序、合格水準が揃います。
同じ業務でも担当者によって教え方が違うと、若手社員は何を目指せばよいのか分からなくなりますが、教え方そのものが共有されていれば、誰が教えても同じ結果に近づいていきます。
もう一つは、「評価軸」の切り替えです。
近年、多くの企業では採用の評価軸を「年間で何人採用できたか」から「入社一年後・三年後に何人残り、一人で案件を任せられる状態になっているか」へ置き換える動きが進んでいます。
たとえば建築・不動産業界であれば、土地探しから契約までを一人で進められるようになっているか、現場での顧客対応を任せられる状態になっているか、といった具体的な到達点で測る形です。
KPIなどの指標が変わると、現場と経営の意識も「集めること」から「育てて残すこと」へと自然と切り替わっていきます。
これらに共通しているのは、若手社員に変化を求めるのではなく、会社側の受け入れ方を見直すという発想です。
前回のコラムで触れたとおり、今の若手社員は「事前に整理された情報」をもとに動こうとする価値観を持っています。
受け入れる側の準備が整っていれば、若手社員はその価値観のまま、動き出すことができるのです。
3.始める前に、知っておきたい二つの落とし穴
ですが、ここまでの取り組みを実際に進めるにあたって、注意しておきたい点があります。
まず一つは、一度にすべてを変えようとしないことです。
マニュアル整備も評価軸の切り替えも、本格的に取り組めば数か月から年単位の時間がかかります。
最初から完璧を目指すと現場の負担が増えるばかりで途中で頓挫しがちなので、まずは「入社三か月で任せる業務の範囲を紙一枚にまとめる」など、一週間で着手できる小さな範囲から始めるのが現実的です。
もう一つは、現場のベテラン社員に、丁寧に説明することです。
これまで属人的に積み上げてきた仕事の進め方を文書化・標準化していく取り組みは、ベテラン社員からすると「自分のやり方を真似される」「自分のやり方を変えろと言われている」「自分の仕事のやり方が間違っていたと言われているようだ」と受け止められることがあります。
そうではなく、「あなたが積み上げてきた経験を、組織の財産として残すための取り組みである」という位置づけを丁寧に伝えることが欠かせません。
ベテラン社員の知見を引き出し、言語化していくプロセスそのものが、組織の財産を次の世代に渡していく作業になります。
4.「型化」を諦めないために
ここまで紹介してきた取り組みは、いずれも自社の手で進められるものです。
一方で、いざ着手すると、紙のマニュアルやExcelの手順書だけでは作成にも更新にも大きな工数がかかり、現場の負担になって途中で止まってしまう――というのもよくある話です。
特に建築・不動産業界のように、案件ごとに条件が異なり、判断の幅も広い業務では、すべてを文書で整理しきろうとすると現実的に追いつきません。
そうした場面では、自社の手でできる範囲とテクノロジーで補える範囲を切り分けて考えるのも一つの選択肢になります。
営業支援や業務支援のSaaSツールを活用すれば、ベテラン社員の判断や作業の一部をツール側に持たせることができ、若手社員が動き出すまでの時間を短縮できます。
私たちFREEDOM Xも、建築・不動産業界向けにそうしたツールを提供しています。
整理や標準化に行き詰まりを感じた際は、自社で抱え込まずに、外の選択肢を組み合わせていくという視点も持っておいてください。
まとめ|明日から、何に着手するか
ここまで、定着率の高い会社が実際に取り組んでいることを、考え方・具体策・注意点の順でお伝えしてきました。
最後に、自社で離職と再採用が繰り返されている場合に、明日から取り組める順序をまとめておきます。
【ステップ1】離職した若手社員が、どの段階でつまずいていたかを振り返る
「業務内容のズレ」「判断基準の不在」「相談しにくさ」のうち、主な要因を言語化してまとめます。
【ステップ2】入社初期に任せる業務の範囲を、紙一枚に書き出す
最初の三か月で担当させる業務、本人に判断させる範囲、上司に確認させる場面を文章化します。
曖昧な部分が、そのまま若手社員のつまずきポイントになります。
【ステップ3】教える側の基準を揃える
OJT担当者ごとに教え方や合格水準が違っていないかを確認し、教える順序と到達水準を社内で統一します。
【ステップ4】採用の評価軸を「採用人数」から「定着人数」へ切り替える
人事や採用担当の成果指標を、入社時点ではなく「入社一年後・三年後に一人で案件を任せられる状態になっているか」で測る形に変えます。
この指標の変更が、現場と経営の意識を揃えるきっかけになります。
一気にすべてを進める必要はありません。
まずはステップ1の振り返りから、なるべくはやく着手してみてください。
そこから一つずつ会社の「型」として整えていくことが、定着する組織への第一歩になります。
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